Yakushima Time

葛西直子/民宿「天豆」オーナー

屋久島の南部、農作物が豊かなことで知られる小島集落にある、民宿「天豆(そらまめ)」。

オーナーである葛西直子さんは、屋久島を初めて訪れたとき、「この島に住む」と移住を決めた。

参加したのは、縄文杉登山が目的の2泊3日のツアーだった。

縄文杉を見たときも、森を歩いているときも、移住のことなど何も思わなかった。

しかし、帰りの飛行機に乗るときに、「何で、私はここを出なければいけないんだろう」と、後ろ髪ひかれる思いが、突如湧き上がった。

 

いま振り返って、その時の話を周囲にすると、「屋久島に呼ばれたんだね」と言われる。島に住んでるイメージが沸いてきて、自然に移住を決めた。

 

移住を決めたときから、価値観が大きく変わった。

東京暮らしへの未練や物欲は消え、屋久島で生活するために、どのような物や知識が必要か、そこだけに意識が向いていった。

とはいえ、すでに結婚していた葛西さん。

夫の意思を確認するまでもなく、「私は移住しますが、どうしますか?」と決定事項として移住を伝えた。

旦那さんはというと・・・妻が移住に向けて、どんどん生活を整理していくのを見ていたが、「こういう生活があるのかもしれない」と流されるまま「相乗り」することとなった。

 

「屋久島に来て何を仕事にしよう」と思いつつ、住む場所を探していたある日、天体ドーム付きの一風変わった物件と出会った。これが、民宿を始めるきっかけとなった。

天体ドームにちなんで、「空」「星」「天」「月」という文字の付いた名前考えていたとき、頭に浮かんだのは、大阪の居酒屋のお品書きで出会った「天豆」という文字。

「そらまめ」を「天豆」と当て字していたのが心に残っていたため、そこから民宿の名前を貰った。

宿泊者が希望すれば、天体ドーム案内。ただ、見えるかどうかは天気次第。「どうか夜だけでも晴れてください」と、毎日祈っているとか。

 

宿は車椅子にも対応していて、「鹿児島バリアフリーツアーセンター」のお墨付き。

これまでに、車椅子の方も利用している。

屋久島や鹿児島の食材をふんだんに使った、和洋折衷創作料理も評判だ。

自分の直感に正直に、島暮らしに舵を切った葛西さん。気がつけば季節が、一巡りしていた。

(取材 高田みかこ)

 

https://www.sora-mame-yakushima.com

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