守りたいっ!ヤクタネゴヨウ

こんにちは!本年も宜しくお願いします。ヤクシマフィルムのシュンゾウです。

多くの悲鳴が聞こえてくる惨事で幕開けした2024年でした。被害に遭われた方には深くお見舞い申し上げます。

昨年は夏以降、世界自然遺産登録30周年の記念事業の映像制作でとても価値ある時間を過ごしていました。世界自然遺産になった経緯を多くの先人の方々にインタビューし、映像化する機会に恵まれました。その制作過程で、さまざまな思いを引き継いだので、今年は気持ち新たに島の価値を残せる映像制作にのぞみたいと思っています。

引き続き美しい自然風景は発信していきますが、島の至る所に実は自然景観が危ぶまれている場所が多く存在しています。その問題にコツコツと取り組んでいる方々がこの島にはいます。

今回ご紹介するのは、世界で屋久島と種子島のみ自生している絶滅危惧種ヤクタネゴヨウを全木調査し、保護活動している「屋久島ヤクタネゴヨウ調査隊」の手塚さんのインタビューと、屋久島で広がりを見せる松の枯死「松ガレ」がヤクタネゴヨウに広がらないように、枯れてしまったクロマツを伐採する作業の様子です。

クロマツに比べるとヤクタネゴヨウは松ガレに対する耐性があるようなのですが、それでもヤクタネゴヨウは枯れてしまっています。

松ガレしたヤクタネゴヨウ

ヤクタネゴヨウの松ガレを防ぐためには、もうすでに枯れてしまった松に潜むカミキリムシの幼虫が成虫になって飛んでいく前に、松を伐倒し、幼虫ごと焼却する方法が拡大を防ぐ対策となるようです。しかし、カミキリムシ自体が松を枯らしているわけではないようです。松ガレが起きてしまうメカニズムは、ヤクタネゴヨウ調査隊のメンバーの方が映像で説明してくれています。詳しくは映像をご覧ください。

樹皮の内側に潜むカミキリムシの幼虫

今回の取材日には3本の枯れたクロマツを伐倒し運び出しましたが、取材後、西部の森を空撮で調査すると、かなりの松が枯れていました。

「この伐倒作業には多くの人手が必要なんです」と話す手塚さん。

調査隊の限られた人数だけで成し遂げることは難しく、毎年多くのボランティアの方の協力があってこそ、この活動ができているそうです。今年も3月にボランティアを募集するということなので、是非一人でも多くの方にヤクタネゴヨウの現状を知っていただき、ボランティアに参加していただけたらという思いで映像化しました。是非ご覧ください。

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