「気候変動と新型コロナ」アフターコロナの持続可能な暮らしを考える
インストラクター:福元豪士(やっくん)
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として定めた「SDGs(持続可能な開発目標」の目標13では、「気候変動に具体的な対策を」打つことを明示されるほど気候変動が深刻化しています。
気候変動と言えば、2019年国連本部で開かれた「気候行動サミット」で、地球温暖化対策を訴えたスウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(当時16歳)の各国の首脳らを前に怒りで声を震わせる演説が記憶に新しいところです。
気候変動とは、数十年間という期間における大気の平均状態となる気候が移り変わることを意味する言葉です。気候変動は、多くの人類に影響を与える深刻な問題です。気候が変動すれば、これまで野菜が栽培されていた地域でその野菜が育てられなくなったり、海流が変化して、特定の地域で魚が採れなくなったり、台風などが多く発生したり、異常気象が発生したりするようになります。
現在、世界中で猛威をふるい、私たち人類を終わりの見えない恐怖と不安に陥(おとしい)れている、新型コロナウイルス。経済活動の制限が余儀なくされている中、コロナの感染拡大により中国やインドを中心に世界中で工場の稼働がストップしたほか、世界中の航空便数も交通量も激減した結果、世界のCO2排出量は大きく減少しました。そんな中で、大気汚染が大きく改善され、中国はもちろん、インド北部では数十年ぶりにヒマラヤ山脈の眺望が見えたというニュースがありました。このニュースからあなたは何を感じますか?
最近では、「ウィズコロナ(コロナウイルスと共生する社会や世界)」そして「アフターコロナ(新型コロナ感染症が落ち着いた社会や世界)」という考え方が広がり始めました。持続可能な社会とは「地球の恵みを、次世代に手わたし続ける暮らし」です。このコロナの危機は、前と同じ経済や社会に戻るのではなく、より良い仕組みに転換するきっかけにしていくこと。これまでの「当たり前」と、これからの「当たり前」。現在のコロナ感染症対策期間中に、私たちのアフターコロナの暮らしの在り方を考えてみませんか?