火の島 口永良部島で出会った花々

YAKUSHIMA FILMの松田です。
今回は屋久島のお隣、口永良部島の話題をお届けします。

屋久島町に属する口永良部島は人口約100人の小さな火山島です。火山活動は今も活発で屋久島からも噴煙を上げている様子がよくみられます。

口永良部のイメージと言えば火山、温泉、釣り(屋久島の太公望も遠征に行くほど)だと思いますが、それ以外にもエラブオオコウモリやムヨウランなどの貴重な動植物が残る島でもあります。

本村集落の夕景

昨年9月、新岳の火山警戒レベル2からレベル1(規制なし、活火山であることに留意)に下がったことから新岳に登るべく先月下旬口永良部島へ渡りました。屋久島の玄関口、宮之浦からおととし就航したフェリー太陽Ⅱで1時間40分、車を走らせ登山口に向かいます(現在、古岳や新岳への登山は警戒レベル1になっていますが、噴火や火山ガスの可能性はあるので自己責任でお願いします)

アコウの巨木

島の植生はほぼ竹と言っていいほど竹に覆われていますが、島の所々には椨やセンダンなどからなる美しい照葉樹林が残っています。

口永良部の照葉樹林は屋久島より明るい印象があります。そして道路脇や照葉樹林帯の中にはコンテリギ=ガクアジサイが咲きほこっていました。

コンテリギ=ガクアジサイ

ガクアジサイ

屋久島にもガクアジサイやヤクシマアジサイなどの野生のアジサイはありますが、このように林床を覆いつくすような群落は見たことがなく、照葉樹の森の中がガクアジサイで埋め尽くされる様子はとてもメルヘンで心弾みました。

照葉樹林に咲き乱れるガクアジサイの森

ガイドや写真家として活動しているにも関わらず、船で1時間ほどの隣の島にこのような春の美しさがあることは全く予想していませんでした。

6月の梅雨時期に近づくと古岳周辺はエラブツツジ(マルバサツキ)が咲き、火山の黒々した山肌が赤に色づきます。

1株だけ咲いていたマルバサツキ

「水の島」屋久島と「火の島」口永良部島

成り立ちや生態系は違いますがそれぞれの島にはまだあまり知られていない魅力が沢山あるはずです。「YAKUSHIMA FILM」では屋久島だけではなく、種子島、口永良部島、馬毛島も含めた熊毛郡の魅力を発信していきたいと思います。

次回は初夏を迎えた口永良部島の様子をお伝えしたいと思います。


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