高田みかこさん/ライター編集「Hello!屋久島」著者 

地元出身の著者が島を丁寧に紹介した単行本 “Hello!屋久島”

高田みかこさん/ライター編集「Hello!屋久島」著者 

「この島は、ただ通り過ぎるだけでは、もったいない場所ばかりだと思う」

そう語るのは、宮之浦のフェリーターミナルで一湊珈琲焙煎所をご主人と一緒に営み、編集者兼ライターとして活躍する高田みかこさん。屋久島の北側に位置する一湊集落の出身。小さい頃は”スーパーインドア派”だったと語るが、友達とただ農道を歩いたり、木に登ってジッとしながら、日々いろいろな妄想を楽しむ子供だったという。

「屋久島って、いろいろ妄想をかきたてる場所だと思う」

そう言いながら笑うみかこさんは、先日、アノニマスタジオから単行本『Hello!屋久島』を出版した。バッグパックからすぐに取り出せるようなお手軽サイズの本には、旅行者はもちろん、転勤で島に住む人や、移住者、そして地元の人が読んでもワクワクするような、みかこさんおススメの情報が盛りだくさん。初めて島を訪れた人が困らないように、集落エリアごとのプランニングや、トラベルインフォメーションなども記載されている。

高田みかこさん/ライター編集「Hello!屋久島」著者 

「島で珈琲店を営みながら、お客さんからの“距離感が分からず移動でのタイムロスがあった”という話や、“来てみたら意外にお店がいっぱいあったから、これならお母さんも連れてこれたね”などと話す親子連れなどの声を耳にするたびに、島の広さや店の多さなど、全体をざっくり掴める本があったらいいなと思ったんです」

みかこさん自身「とても運転が苦手」ということもあり、ページを進めながら、丸い屋久島の西側から時計回りに集落を紹介するという構成にこだわったという。レンタカーやバス移動でのタイムロスを無くし、効率良く島を楽しんで欲しいという、みかこさんの思いが伝わってくる。また、写真は島内在住の写真家yu−さんが担当。屋久島在住の2人がタッグを組み、知らなければ素通りしてしまいそうな島の一コマや、美しい景色がいっぱい詰まっている。

高田みかこさん/ライター編集「Hello!屋久島」著者 

「実はまだまだ伝えきれないことが沢山あるんです。本作りが終わってみると、あれもこれも伝えたかったなぁという心残りもあります」

みかこさんは、東京の大学を卒業後、都内の編集プロダクションや出版社に勤め、取材執筆や編集の仕事に就いていた。そこで培ったスキルが、今回の本の制作に影響を与えていると語る。

「『Hello!屋久島』は、カメラマン、デザイナー、イラストレーター、編集者、そして何より屋久島の人たちみんなで作りあげた本です。私はこれまで編集側にいたのですが、今回、著者になったことでどちらの気持ちも知ることができました」

編集者の苦労もわかるだけに、初めから「人の意見を聞く」と決めていたという。

表紙を飾る赤い灯台は、みかこさんの出身地“一湊集落”の港に立つ町のシンボル。島に訪れる人たちが迷わないように、みかこさんの愛情で作られた“Hello!屋久島”。読めばいますぐ屋久島に行きたくなる。

高田みかこさん/ライター編集「Hello!屋久島」著者 

(取材: Written by 散歩亭 緒方麗)
  

高田みかこ/一湊珈琲焙煎所

住所 鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦1208-1県営フェリーターミナル待合所2階
URL https://issou-coffee.com/

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