荒田知宏さん/Kitchen HUB Dining

屋久島初のレンタルキッチン!島の内と外を繋げる食の拠点を目指したい

宮之浦港へ続く県道沿いに、ガラス張りのお洒落なレンタルスペース&カフェがオープンした。

「島外から訪れた方々にも地元の方々にも、新しい視点で楽しんでもらえるスペースを提供したいです」

荒田知宏さんは、宮之浦出身の37歳。70年以上続く荒田石油の3代目として、様々な新事業を展開している。ガソリンスタンドやレンタカーなど車関係の事業の他に、今年から飲食店という新しい分野に挑戦した。

その名も”Kitchen HUB Dining”。島では初の取り組みであるレンタルキッチンだ。島内外の料理人や、ノマド的にフリーランスで活動するシェフ、またはスタートアップを考えているが本格起業する前に一度試してみたいと考えている人たちが気軽にチャレンジできる場所として、最近はレンタルキッチンの需要に注目が集まっている。

「テレビを見ていて、時間に縛られず好きなスタイルで働きたいフリーランスのシェフが増えていることを知りました。観光客やIターン&Uターンなど様々な人たちが集まる屋久島でも、そんな人たちが活かされる場所があったら面白いなと思ったのです」

至れり尽せりの設備で多様な料理を

Kitchen HUB Diningでは、多分野の料理人が来ても対応できるよう、様々な機材や設備を入れており、メニューによってはスタッフまでも店側が用意する。まさに至れり尽くせり。設備投資を考えず、ノーリスクで気軽にチャレンジできる。

店内は島の地杉や石を使った開放的な造りになっており、キッチンは二つ併設されているため、同時期に2人の料理人がそれぞれの料理を提供することもできる。コロナ禍で島への出入り客が少なくなっている現在は、島在住の洋食出身のシェフが作る特製カレーや期間限定パスタ、黒糖タピオカなどを提供している。

荒田さんは、中学まで屋久島で育ち高校は鹿児島へ。その後は、上京し車関連の仕事をしていた。小さい頃から実家を継ぐつもりだったという。

「家を継ぐために島に帰ってきましたが、この先どんどん新しい時代になるにつれ、僕も島で新しいことをやっていかないとな、と思っていました。まずは”デスティーノ レンタカー 屋久島店”を始め、年間約6,000人の利用者がいることが分かりました。そこでヒントを得たのが、カフェスタイルのレンタルキッチンでした。レンタカーの契約所としても利用しているので、集客も期待できます」

「HUB=中継という意味があります。飲食店を通して、島民と観光客とを繋がってくれたら嬉しいですね」

現在はコロナ渦で島全体の雰囲気は静かだが、料理人達の多種多様な料理を堪能できる日が楽しみだ。
(取材:Written by 散歩亭 緒方麗)

  • name … Kitchen HUB Dining
  • 住所 … 鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦368-21
  • TEL … 099-42-3100
  • URLhttp://kitchen-hub.jp
  • 備考 … yakushima@kitchen -hub.jp

関連記事一覧