深尾結生さん/HIRANO WRAPS

からだと地球に優しいラップサンドで、屋久島のテイクアウトフードに新風

島の南東、平野地区にオープンしたラップサンド店、「HIRANO WRAPS (ヒラノ ラップス)」の看板メニューは、ラップサンド(620円〜)。

ラップサンドとは、さまざまなおかずを、薄い皮で細長く巻いた料理で、日本のおむすびのように、片手で食べられる気軽さが魅力。「HIRANO WRAPS」では、屋久島で水揚げされた白身魚シイラのフリットやひよこ豆をすりつぶして揚げたファラフェル、テリヤキチキンのいずれかを、たっぷりの生野菜とともに巻いて提供している。

店主の深尾結生さんが、海外で出会った思い出の味をベースに、夫婦で皮やソースから手作りして、試食を重ね、納得のいく味を生み出した。地元で親しまれる「長井商店」の旧店舗をセルフリノベーションした店は、座席のないテイクアウト専門店。一角には自然食品店が併設され、店で使う調味料やオーガニックの食材なども販売している。

大都会ロンドンで2年間働いたのち、「自然豊かな場所に行ってみたい」と、友人の暮らす屋久島を訪れた深尾さん。ちょっとした長期滞在のつもりだったが、請われるままにさまざまなアルバイトをするうちに、人間関係も広がり、どんどん居心地が良くなっていった。

深尾さんは、10代の頃から、カフェや居酒屋、ラーメン店、さまざまなアルバイトを経験する中で、「いつか食にまつわる商売をしてみたい」という漠然とした夢を抱いていたという。
そんな中、出会ったのが、自然食をこよなく愛する妻の恵さんと、この空き物件だった。

食卓に自然食が並ぶ家で育った深尾さんも、若い頃は、好奇心の赴くままジャンクフードにも手を出した。しかし、肌荒れや体重増加などの不調を経験する中で、年齢を重ねるごとに、食の重要性を実感するようになり、自然と幼い頃の食生活に回帰することとなった。
店では、できるかぎり地元産の食材や無添加の調味料を使っており、テイクアウト容器も極力、生分解性のものを選ぶなど、環境への負荷を少なくするように努めている。

ラップサンド以外に、スパイシーなターメリックライスを使ったタコライス(780円)やフィッシュ&チップス(1,250円)、各種ドリンク(180円〜)も揃えており、動物性食品を使わないヴィーガンメニューにも対応する。

ヤクスギランドや縄文杉、宮之浦岳登山口に向かう町道の起点に近く、山に向かう人が多く行き交う立地。7月末ごろからは、登山客向けの早朝弁当も始める予定。

(取材:一湊珈琲編集室 高田みかこ)

【HIRANO WRAPS】
https://www.instagram.com/hirano_wraps_yakushima/?hl=ja
屋久島町安房2596-15
営業時間:11~14時
定休日:水木

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