李世林(り すーりん)さん /「島海味(しまうみ)キッチン シリウス」オーナー

「海と山があって、雪も降る」理想の地を求めて、大都市大連から家族で移住

李世林(り すーりん)さん /「島海味(しまうみ)キッチン シリウス」オーナー

屋久島の南の玄関口、安房の商店街に、この春、念願のレストラン「島海味(しまうみ)キッチン シリウス」をオープンさせた李世林さんは、中国の東海岸に位置する大都市、大連の出身。
古い商店街の中にあった居酒屋を改装して、ガラス張りにした店は、広々としたカフェ風のモダンな雰囲気。奥には、子連れや団体客に喜ばれる座敷も備えられている。半年近くかけて、李さんがセルフリノベーションを施した。

中国のオリンピック候補として、水泳に明け暮れる青春時代を送ったのち、東京の中華料理店で働く父を頼って来日。そこからは、料理一筋で生きてきた。
東日本大震災を機に、東京で出会った妻さやかさんとともに大連に帰郷。夫婦でカフェやラーメン店を営んでいたが、中国の教育プログラムの厳しさに直面。子どもの進学にあたって、ふさわしい場所を探していたときに、見つけたのが屋久島だった。

李世林(り すーりん)さん /「島海味(しまうみ)キッチン シリウス」オーナー

息子たちのリクエストは「海と山があって、雪も降る」場所。
そんな条件にぴったり当てはまったのが、屋久島だった。息子たちはもちろん、夫婦とも、都会育ち。屋久島移住は大冒険だったが、「自然に囲まれた環境でのびのび子育てしたい」その一心で、2013年、引越しを決断した。

屋久島では、ホテルの厨房や居酒屋に勤務。店のメニューには、餃子やシュウマイといった中華料理に混じって、お刺身の盛り合わせや天ぷら、枝豆、ポテトフライといった、日本の居酒屋の定番料理も並ぶ。和洋中混交のメニューには、これまでの経験が生きている。中でも、皮から仕込んだ飛魚の水餃子は、自慢のひと皿。餃子発祥の地と言われる大連では、豚肉だけでなくラム肉や魚介類など、さまざまな具を餃子に入れる。

李世林(り すーりん)さん /「島海味(しまうみ)キッチン シリウス」オーナー

店のある安房集落は、飛魚の漁獲量日本一としても知られる漁師町。店のオープンにあたって、試行錯誤を重ね、名物の飛魚を具にした水餃子を開発した。オープンから3カ月後には、客からのリクエストに応えてランチもスタート。海鮮丼、麻婆丼、パンサラダと文字通り和洋中の3種類のセットを設けた。

李世林(り すーりん)さん /「島海味(しまうみ)キッチン シリウス」オーナー

仕事や子どもたちの学校、趣味の音楽を通じて、友人もたくさんできた。顔なじみの客が、気軽に声をかけていく。観光のハイシーズンはこれから、移住6年目の夏は忙しくなりそうだ。

(取材:一湊珈琲編集室 高田みかこ)

島海味(しまうみ)キッチン シリウス

住所 屋久島町安房97ー1
TEL 0997-46-3327
営業時間・定休日 11時30分〜14時30分L.O. 17時〜0時、冬季休業あり

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