国本真治さん/屋久島発の雑誌「サウンターマガジン」編集長、兼発行人
美しい写真と多彩な書き手によるコラムで、旅に出たくなる写真誌
今月創刊されたばかりの雑誌「サウンターマガジン」編集長、兼発行人の国本真治さんは、月の半分を屋久島、半分を国内外各地で過ごす、文字通りのジェットセッター。旅をこよなく愛する国本さんは、この暮らしを軽やかに楽しんでいる。
ファッションの専門誌「WWD JAPAN」、カルチャー誌「STUDIO VOICE」などでキャリアを重ねたのち、独立。フリーランスの広告営業や制作、編集を務めながら、自らの雑誌を立ち上げた。
「世界の文化や自然、旅のドキュメントを美しい写真と共に伝える」というコンセプトの通り、島内外の記録を発信する。
創刊号の特集は「あなたが知らない屋久島」「インドの中のチベット世界ラダック」「シエラネバダのアンセル・アダムス・ウィルダネス」の3本。解剖学者の養老孟司さん、音楽家のShing02さんやharuka nakamuraさん、内田輝さんなど、屋久島ゆかりの人々のコラムも寄せられている。これまでのコネクションを生かしながらも、養老孟司さんやShing02さんなど、この雑誌を通じて、初めて生まれた関係もある。
創刊号のアートディレクションは佐々木啓光さん、イラストは三宅瑠人さん、写真は加戸昭太郎さんと、製作には一線で活躍する人々が参加。国内外で広く手に取ってもらえるよう、日本語と英語のバイリンガル表記が採用されている。
国本さんが、初めて家族で屋久島を訪れたのは、2011年。友人が先に移住していたこともあり、人間関係にも恵まれ、「離島で子育てをしたい」という夫婦の夢をすんなりとイメージできた。2013年には、ヨガ講師の妻と子が先に移住。国本さんは、サラリーマンを続けながら、屋久島にヨガスタジオを備えたホテル「アナンダチレッジ」を開業するというプロジェクトに着手した。
屋久島での事業が軌道に乗った2018年に独立。忙しいながらも、少しだけ家族と過ごす時間が増えてきた。
雑誌の立ち上げは冒険だったが、チームを組み立て、制作にあたった期間はとにかく楽しかった。10月には、瀬戸内アートブックフェアに出店予定。雑誌を通じて生まれる新しい出会いに期待が高まる。
屋久島空港並びの「ギャラリータビラ」(屋久島町小瀬田)では、8月20日まで、創刊記念写真展を開催中。オリジナルで製作したTシャツ、トートバッグ、シエラカップも屋久島特別価格で販売する。営業時間は、10時~18時、月休。
創刊号は2700円(税込)。全国の書店などで発売中。次号の発行は来春を予定している。
(取材:一湊珈琲編集室 高田みかこ)
サウンターマガジン
アナンダチレッジ
- 〒891-4406 鹿児島県熊毛郡屋久島町平内349-69