稲葉亜矢子さん / アロマセラピスト ボイスヒーラー

大自然に呼応し声を出す。自然と繋がる”ボイスヒーリング”

「屋久島は、生命力を引き出してくれる場所だと思います」

麦生集落に住む、アロマセラピストの稲葉亜矢子さんは、3年前に東京から移住した。それまで東京でもアロマサロンを開催していたが、30代前半まではプログラマーとして会社勤務をしていて、仕事や都会生活でのストレスを抱え、人間が本来持っている様々な”感覚”を失ってしまっていたのだという。

そんなときアロマに出会い、植物の香りに癒されて少しずつ心身が楽になるのを感じた。

「アロマに出会いしばらく経ったあと、料理好きの友人から『亜矢子ちゃんは、昔は料理の味が分からなかったよね』と言われました。そのときの私は、”美味しい”や、”嬉しい”、”楽しい”など、自分の感性を使って様々なことを感じることができなくなっていたのです。しかし、友人の薦めでアロマの香りを嗅いだ翌朝、忘れかけていた”意識”や”感覚”が少し戻ったように感じました。それを機に、これまでの日常から、自分を切り離して考えることができるようになったんです」

アロマオイルの原料である植物の花の香りを嗅いだり観察したりと、少しずつ自然に親しむ時間が増え、ついには仕事を辞めてアロマセラピストとして活動することになった。

自然と共鳴し、引き出される内なる”声”

そんな稲葉さんは、アロマトリートメントの他に”ソウルボイスヒーリング”という自然の中で声を出すワークショップも開催している。これまで400人以上の方々が参加し、国内外の自然豊かな場所で歌っているという。

ソウルボイスヒーリングのワークショップを始める前に、米アリゾナ州のセドナで、ネイティブ・アメリカンの叩くドラムに合わせて川縁で声を出すというツアーに参加したことは、現在の活動に大きな影響を与えた。

「ボイスヒーリングは、”自然の中に身を委ね、大地を感じながら、身体に響かせて声を出す”というものです。誰かに聞かせるものではなく、自分の中にあるものを表現するという感じなんです」

ボイスヒーリングにとって「最高の場所」だという屋久島に移住を決意する前も、23年前から何度も通うリピーターだったが、今ではリピーターを受け入れる側になった。

「セッションが始まると、初めは小さな声でも、次第に内側から湧き出るように声が出てくるんです。まるで、本来持っている生命エネルギーを、屋久島の自然に呼び起こされているかのよう。その方の持つ感性や能力、そして方向性などが声の響きに乗っているように感じます」

参加したお客様からは、『楽しかった。心が軽くなった』『以前より感覚が敏感になった』、などの声が届くという。

「いま、コロナの影響もあり、様々な選択を迫られている方もいらっしゃるかもしれません。そんな時代だからこそ、人間が本来持っている生命力に注目が集まっていると感じますね。それを引き出してくれるのは、やはり自然です。屋久島はすぐに大自然の中に入れて、水が綺麗。生命に必要なものがここにはあるんです」

お話を伺ったあと、「ぜひ一緒に体験してみませんか?」と誘っていただいた。セッションが始まると、いつもは朗らかな稲葉さんの声が、辺りの空気に大きく振動し響き渡っている。気が付くと、稲葉さんの叩く力強い太鼓の音とともに、これまで聞いたことのない自分の声が、身体の内側から湧き出ていた。(取材:Written by 散歩亭 緒方麗)

  • name:アロマサンドリーズ
  • 住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生
  • URL:http://aroma-sundries.com/
  • 連絡先:Ayako@aroma-sundries.com

関連記事一覧