光るキノコある森
2020年の屋久島は5月30日ごろ梅雨入りしました。
例年の屋久島だと6月上旬はまだ大雨が降る時期ではないのですが今年は大雨の時期が早いような気がします。屋久島は雨が多いという印象を持たれる方が多いと思います。近くを黒潮が流れ、標高1936mの宮之浦岳をはじめとする高い山があるため暖かい湿った空気が斜面を駆け上がり雨雲が発生するからです。
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撮影:古賀 顕司「モッチョム岳の斜面をながれる湿った空気」
今回紹介する光るキノコはまさに屋久島の雨が育んでいるとも言えます。
5月から7月中旬の梅雨の時期に見ることができるキノコです。
光るキノコは日本に10種類ほどあり屋久島にも数種類あります。まだ分類でわかっていないことも多いキノコです。代表的な種類は、シイノトモシビタケ、ギンガタケ、スズメタケ、ヤコウタケなどです。光る理由はよく分かっていないのですが、光るメカニズムは研究が進んでいます。光るキノコが持つ特定の酵素が関係していることが分かってきています。
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撮影:古賀 顕司「出始めのシイノトモシビタケ」
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古賀 顕司「虫が寄ってきたシイノトモシビタケ」
写真のキノコはシイノトモシビタケ。緑色の発光が強く光り夜の森で目立ち見つけやすい発光キノコです。
光るキノコの見つけ方ですが、まずスダジイの木を探します。まずは昼に探してください。夜にいきなり探すと危ないですしなかなか見つかりません。
スダジイでも枯れた枝が落ちているような大きいスダジイにおすすめです。また遊歩道など道沿いがあとで夜観察するときに簡単ですし道から観察すると他の植物を踏みつける心配が減ります。落ちた枝、倒木、樹皮を見て茶色で2から3cmくらいのキノコがあればシイノトモシビタケの可能性が高いです。
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撮影:古賀 顕司「スダジイの木、鹿児島県に普通にある木です」
そして観察の日は、夕方ぐらいからスマートフォンなど強い光を見ることをやめて目を準備します。
装備は長靴(虫や蛇対策)、軍手、ヘッドライトがあると良いです。
現場近くに着いたらヘッドライトをつけて木の近くまで移動して、着いたらヘッドライトを一旦消して数分間、目を暗闇になれさせます。そうして周りを見渡すと光るキノコに気づくと思います。
一回で見ることができないかもしれないですが、諦めずにスダジイに通って見てください。なれるとすぐに見つかるようになります。一度見るときれいな緑色の発光の虜になりますよ。
自分で探すのに自信がない場合はガイドを頼むと安心だと思います。屋久島や奄美大島ではナイトトレッキングを開催しているところもありますよ。
YakushimaFilm / ライター 古賀 顕司(こが けんじ)
2000年に福岡から屋久島に移住。エコツアーガイドを仕事にしている。
学生時代は化学専攻。植物、きのこ、昆虫など自然全般なんでも好きです。
- エコツアーガイド「フォレック」代表、屋久島町公認ガイド
- 日本山岳ガイド協会 登山ガイドステージⅡ
- webサイト https://phorek.com