中馬慎一郎さん/ガイド&屋久島ライフセービング協会
屋久島の北部の海は、夏になると家族連れやダイビングを楽しむ観光客で賑わう。
真っ青な海の底では、サンゴや巨岩の上を魚たちが乱舞する美しい世界が広がる。
北部の志戸子集落は、海岸ギリギリまでガジュマルが生い茂り、海を隔てて口永良部島を望む。
志戸子生まれ育った中馬慎一郎さんは、高校進学と同時に島を出た。
現在は島に戻り、海、山どちらも案内できるガイドとして活躍している。
「島にいたときには気付かなかった屋久島の素晴らしさやありがたさを、今実感している」と語る。
中馬さんは、ライフセービングの活動もしている。
所属する「屋久島ライフセービング協会」は、毎年開催される“屋久島オープンウオータースイミング”をサポートするために立ち上げた団体。
今は島の海水浴場の安全を守るための活動をしている。メンバーは、10名ほど。
ちなみに、屋久島オープンウオータースイミングは、毎年300人以上の参加者が集まる「海の遠泳大会」。
オリンピックの正式種目の競技で、2020年に開催される鹿児島国体では、屋久島北部の一湊海水浴が競技会場になった。
実は、屋久島が競技会場に選ばれるのは2度目。1972年に行われた鹿児島国体で、屋久島の山が山岳競技の会場に選ばれたこともあり、44年ぶりの大会を島民も心待ちにしている。
「縄文杉や白谷雲水峡などの山岳エリアに頼らず、海や里の観光を広げて、いろんな屋久島の魅力を伝えていきたい」と中馬さん。
多彩な屋久島。緑だけではない、“青い屋久島”も魅力的だ。