正も悪もない未知なる天上界

こんにちはっ! ヤクシマフィルムのシュンゾウです。

この季節恒例になっています屋久島の奥岳の雪景色の紹介です。
毎年、この季節は山に入るようにしています。眠る山々がもっとも神秘さをます時期だと思っているので、この美しい世界をどうしても一目見たくなります。

また、雪山は装備が重いので、健康診断の意味も兼ねて。笑
雪山山行ができなくなったら、ガイドは引退と決めています。

無事、いい映像が撮れて下山できたので、ほっと一安心。
今年も多くの方を山に誘いたいと思っています。

ではでは、屋久島天上界の雪景色をご覧ください。

今年は全国的に暖冬ということで、僕が山を覚えた東北の栗駒山からも雪の少なさを嘆くニュースが届くほど。屋久島も寒波の回数が今年は少なく、気温もなかなか下がってくれないです。

宮之浦岳はいい積もり方ですが、平石から下はご覧の通り少量でした。

後何年この景色が見れるのか分かりませんが、この2トーンの写真が今の世界を物語っているようにも見えました。

永田岳、寝待は最高の状態でした。寝待の右奥にはお月さんがいてくれました。この景色を見るために3日を要しますが、一目見た瞬間、これまでの苦労はどこかに消え去ってしまうのですから山は本当に不思議です。

山は怠惰な僕に崇高な哲学の存在をいつも無言で示してくれます。

天上界を十分堪能した後、里の方角に身を向けると、迫力ある雲海が低山に覆い被さっていました。天気予報は晴れでしたが、この写真を撮り終えた後、すぐに奥岳は雲に覆われました。

屋久島の山岳の天気は、人間がテクノロジーを駆使してはじきだした予報の裏をよくかいてきます。これがたまらなくホッとするのです。

人が知り得ることなど実はほとんどないのかもしれません。正解だと思っていたことが正解でなくることがよく下界ではおきます。

わからないことはわからないままでいい

正も悪も何も存在しない真っ白なこの天上界の風に吹かれているとそんな言葉が心に流れてきました。

科学も人間関係も経済活動も分かろう解明しようと求めるあまり窮屈になっているような気がしてなりません。自然の魅力的な領域は、一秒先でさえ何が起きるかわからず、起きた現象も何が原因で起きたか説明不可能な未知の世界に存在している部分が多く、未知であるからこそ、不安定であるからこそ、自然に身を投じたくなってしまいます。

言語で説明し出すと、どこまでも実際の体験から遠のいてしまうので、やはり映像の力を今回もお借りして、ペンをおきます。言い方が古かったですね。キーボードを叩くのをやめます(この表現、なんか風情ないですね)。

どうかこの映像で、この島の神秘性が伝われば幸いです。
では、またっ!

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