眞邉まなみさん/洋服お直し エモいTシャツ屋さん

虹の見える店から、針と糸の魔法で思い出の衣類をよみがえらせる

焚き火の火花で穴が空いた古いダウンジャケットにはよく似た生地で丸いパッチワーク。摩耗で薄くなったデニムは当て布で補強して、ウエストがきつくなってしまったスラックスもシルエットが崩れないように布を足してサイズアップ。
持ち込まれた一つ一つの衣類をじっくり検分しながら、どんなお直しだったら、それぞれの魅力をできるだけ損なわずに引き出せるのか、この道17年の知識と経験を絞り出す。

屋久島で最も交通量が多いといっても過言ではない、宮之浦大橋のたもとの大きな看板。
オープン前から、どんなお店ができるのだろうと町の話題になっていた物件が、1月、ついにお披露目された。

その名も「洋服お直し エモいTシャツ屋さん」。
洋服お直しとTシャツプリントの専門店だ。

パンツの裾上げから、ジャケットのサイズ調整まで、洋服の困りごとに幅広く対応するのは、店長の眞邉まなみさん。福岡のデパートの修繕部門で紳士服を中心にキャリアを積んだスペシャリストだ。
店内には、Tシャツのインクジェットプリンターもあり、持ち込みのデータをその場で希望の布に印刷することもできる。印刷範囲はA4サイズ、210×297ミリメートル以内。店では、綿100パーセントの白いTシャツを用意しているが、基本的に、綿の配合率が50パーセント以上で、薄い色のものであれば、持ち込み対応も可能だ。
大口の注文には、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師として独立したばかりの夫とともに、プリント作業に勤しむ。

2023年7月、夫の故郷である屋久島へ引っ越し、初めての田舎暮らしにゆっくり慣れていこうと思っていたら、思いがけず夫の友人である店のオーナーから、声がかかり店を任されることになった。お直しはプロフェッショナルだが、接客はほぼ未経験、おっかなびっくり開店にこぎつけた。
橋のたもとから東の海を望む店は、眺望抜群。「雨上がりに海の方に虹が現れることが多くて、店の中から虹が見られるんです」とうれしそうに話す。
「まだまだ休日の過ごし方がわからなくて、夫の実家でご飯を食べて、姪と遊んで」が定番コース。それでも屋久島に引っ越して一番良かったのは「水道水がおいしいこと」と、即座に答えるあたり、島の魅力にじわじわとはまってきている。

パンツの裾直しは800円〜、プリントは1回2,000円〜。
営業時間は10〜17時、土日祝休、その他休業に関しては、インスタグラムで事前告知する。


■洋服お直し エモいTシャツ屋さん

屋久島町宮之浦2395ー22
営業時間10〜17時
https://www.instagram.com/yakushima_emo_t/

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