西尾恵子さん/屋久島リサイクル情報

「息子さんのおさがりが、わが家にやってきたよ」
と、友人が教えてくれたのは、10年ほど前にリサイクルに出した息子の服。
大切に使われていたらしく、まだまだコンディションは良好とのこと。めぐりめぐる縁が愛おしく思えた出来事だった。

屋久島在住の西尾恵子さんが2017年から運営するフェイスブックページ「屋久島リサイクル情報」は、屋久島町の世帯数の2割を超える1396人(2023年7月14日現在)が登録している。登録の条件は屋久島町に居住していること。
衣類はもちろん、家具や家電、おもちゃや書籍が、島の中でひんぱんにやりとりされ、屋久島町のゴミ削減に大きく貢献してきた。

きっかけは、10年ほど前に宮之浦の益救神社境内で定期的に開催されていた「やくしま手づくり市」。
保育園に通うひとり息子の不用品を並べて出店したのを機に、フリーマーケットの楽しさに目覚めた。息子がスポーツ少年団に所属していたときは、西尾さんの呼びかけで活動資金を捻出するために、保護者グループとして出店。「誰かにとって不要なものが、別の誰かに必要なものになる」瞬間に立ち会うのは、無上の喜びだった。

しかし、いかんせん、雨の多い島。屋外イベントは、中止になることも多い。天候や時間に左右されずに、いつでもやり取りできるようにとの思いから、このページを立ち上げた。
原点は、修理好きの父。「使えるものはゴミじゃない」と、粗大ゴミ置き場から使えそうなものを拾っては、きれいに手入れしてよみがえらせるのが好きな人だった。

西尾さんは、この春、長年勤めた職場を退職。リサイクル、リユースの拠点作りに改めて取り組む。SNSでのやりとりも便利だけれど、「手にとって選ぶ喜びも捨てがたい」。と、車でのイベント出店、遺品整理、取り組んでみたいことが次々と生まれてくる。
「もったいない」から生まれた人の輪が、巡り巡って、西尾さんの新たな挑戦を後押ししてくれることだろう。

※「屋久島リサイクル情報」は限定公開となっています。

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