マキノカオリさん/ヨガ講師

自然と遊び、ヨガで身体と向き合いながら紡ぐ、豊かな暮らし。

屋久島の澄んだ空気を鼻からゆっくりと吐き、そしてまたゆっくりと息を吸い込む。五感を研ぎ澄まし、呼吸を感じながら、気持ちよく身体を動かしていく。味わえば味わうほどに五感は研ぎ澄まされ わたしで在ることが深まりゆく。

「屋久島は世界で一番の場所です」

そう語るのは、ダイナミックな山が間近に迫る尾之間集落に住む、ヨガ講師のマキノカオリさん。2016年に埼玉から屋久島へ移住した。島に長期滞在していた友人を訪ねて初来島して以来、すぐに島の魅力にとりつかれ、同じ年に3回も来島したという。自然はもちろん、島に住む人たちの暮らしにも惹かれ、自分の心の声に従うかのように移住を決めた。

「とにかくこの島にいると、”自分”という存在を手に取るように見せられることが沢山あるんです。自分を知る、というのかな。それまでは、仕事や生活などただ目の前に起こったことをやるという感じだったのが、島に来てからは、自然と触れ合い、自分の心の声に耳を澄まして、毎日楽しく豊かに暮らす、と価値観が変わって行くのを感じました」

数あるヨガの流派の中でも、マキノさんはアシュタンガヨガの正式資格指導者(level2)。ヨガの総本山である南インド・マイソールでそのルーツに触れ、日本で3番目に正式指導者としての資格を取った。また、整体師としての顔も持ち、参加者の身体を整えることを生業としている。

“生活芸術”、日々を彩る仲間たちと。

そんなマキノさんは、島に来てから新たな仲間を得て、生きることがより楽しいものになっているという。その名も”生活芸術”。「自然そのものや、人間が毎日織りなす暮らしこそ、アート!」と語る先駆けメンバーの荒井百々子さんら5人と共に、誰かに強制されるでもなく有機発酵的に生まれてきたアイデアを、それぞれが形にしている。もともとは、荒井さんが10年程前に始めた取り組みだったが、現在は島内を拠点に活動し、空間コーディネート、思考 ヨガ、身魂の調整のための個人カウンセリングやリトリートをおこなっている。マキノさんのヨガもそのひとつだ。

「屋久島に住んで良かったなと思うことのひとつに、豊かな暮らしを実現している人達との出会いがあります。生活芸術のメンバーはまさにそれですね。みんな海外を回って住んでいた経験があり、世界のいろんな場所を見てから、この屋久島に行き着き自分の巣を作っているんです」

移住以来参加者の希望でヨガリトリートが続いており、マキノさんのナビゲートのもと、島内外からの参加者と、ヨガを行いながら島の自然に触れ、島に住む人達と食事を共にするのだという。

「参加者の中には、自分の心や身体の声に目を背けて生きている方もいらっしゃいます。でもそれを続けると疲れちゃう。屋久島の空気に触れて、ヨガで身体を整え、帰る頃にはみんなキラキラになって帰って行きますよ。自分の中から湧き出る方向に素直に乗っかる人生を楽しんでほしいですね」

「都会では、水や空気が汚れていることが”不自然なこと”だということを、考えないようにしないと生きていけません。屋久島は、まず水や空気が本当に綺麗で美味しい。いまではもう貴重なものとなってしまった”日本”がここにあるんです」

例えば、花はそこに咲くだけで、周りを明るくし、そこが健やかな場所だと感じさせる。島に移り住み、自然を思い切り楽しみながら人々の身体を整え、同じように生きる仲間たちと豊かな日々を紡ぐマキノさんは、島にパッと咲いた一輪の花のようだ。(取材:Written by 散歩亭 緒方麗)

  • (name)マキノカオリ
  • (住所)鹿児島県熊毛郡屋久島町尾之間
  • (mail)kaoriyogasmile@gmail.com

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