「森と人がつながっている」を実感するセンスオブワンダーな1日

イベントについて

2月、屋久島7000年の森エリアで「Forestday」が開催された。このイベントは“森と人との関わり”をテーマに、屋久島世界遺産センター、屋久島環境文化研修センター、屋久杉自然館の3施設が協働して開催する環境系イベント。

7000年の森エリア 上空から

開催の目的

今回で4度目の開催となるForestday。今年は「7000年の森エリアを通して、自然体験活動の担い手を育成する」というヴィジョンを掲げ、森と人との深い関わりを繋ぐことを目指した。
イベント当日は曇り空だったが、島の子どもたちが続々と集まり、終始笑顔で楽しむ姿があった。

島内の子どもたちが集まるきっかけに

エリア内には10か所以上のブースが並び、イベントに協力していた「NPO法人 木繋プロジェクト」のブースもあった。そこではタンカンの木を使ったフォークづくり体験を開催しており、子どもから大人まで多くの方で賑わいを見せていた。参加した親子は「木を削ってモノを作る機会はなかなかないので、親子でいい思い出になりました。」と満足そうな表情で教えてくれた。

親子で一緒に木に触れるクラフト体験

環境保全の観点から

環境省のビジターセンターである「屋久島世界遺産センター」では、土中の生き物観察やレンジャーの仕事紹介のブースが設置されていた。レンジャーとは、主に国立公園の自然を保護・保全する管理員のことで、フィールドの調査や巡視、自然再生の推進を目指す活動などをしている(環境省HP参照)。海や山に囲まれている屋久島では、自然と近い暮らしをしている家庭が多い。この体験がきっかけで、自然に携わる仕事を夢見る子どもが増えるかもしれない。

レンジャー体験をする島の子ども

センスオブワンダー

各団体が準備した個性的なブースを通して、参加者が自発的に自然に触れ、森の魅力や新たな楽しみ方に気づく体験をしている姿が見られた。まさにレイチェル・カーソンの著書にある【「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない】が体現されたようなイベントだった。今後もForestdayのような「森と人との深い関わり」を実感できるイベントが屋久島で普及し、子どもたちの明るい未来に繋がっていくことを願う。

(次回は令和8年2月15日開催予定)

インストラクター(環境学習研修指導員)と7000年の森をお散歩

取材&写真:小松純哉(チャド)


【会場受付】屋久島環境文化研修センター
【住所】〒891-4311 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房2739-343
【HP】https://www.yakushima.or.jp/
【参考】環境省HP https://www.env.go.jp/park/workers/ranger.html

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