計屋卓摩さん/ルーツのある屋久島でホテル経営

▲産卵を終え海へかえるアカウミガメ 永田浜 5月下旬 午前5時撮影

屋久島は北太平洋最大のアカウミガメの産卵地で、その大半は島の北西部「永田浜」に集中している。5月から7月までの産卵期には、夜9時頃から翌朝5時頃にかけてその上陸を見ることができる。

その永田浜を臨む絶好のロケーションをのぞむ1軒のホテルがある。キャッチフレーズは「ウミガメの来る宿」。

▲マリンブルー屋久島

そのホテル「マリンブルー屋久島」を営む計屋卓摩さんは、「事業を通じて屋久島に貢献したい」と力強く語る。

計屋さんが社長を務める会社は、屋久島でのホテル事業だけでなく、横浜市を拠点とした不動産・建物管理事業も行っており、活動は多岐に渡っている。特に、屋久島でのホテル事業には強い思いを持って取り組んでいるという。

「事業を通じて屋久島に貢献したいと思うのは、先代、そしてご先祖が喜ぶと思うから。それに尽きますね」
先代とは、ここ永田出身の父・圭宏さん(2022年逝去)のことだ。

▲生前の圭宏さん、妻珠江さんと(卓摩さん提供)

父・圭宏さんは、中学まで屋久島で過ごし、進学のため上京した。大学卒業後、不動産・建物管理の会社を起業し、関東で活躍するかたわら、「事業を通じて故郷 屋久島に貢献したい」と屋久島への思いを持ち続けた。永田集落のホテル(現 マリンブルー屋久島)を譲り受けたのは今から30年ほど前のこと。
さらに、ホテル事業に邁進する形で、屋久島空港前に「縄文の宿 まんてん」をオープンする。

▲屋久島空港から徒歩1分 「縄文の宿 まんてん」

父の背中を見ていた卓摩さんは、先代の熱い思いを受け継ぎ、「マリンブルー屋久島」と「縄文の宿 まんてん」の2つのホテルを経営し、島内でのネットワークづくりにも熱心に取り組んでいる。

「屋久島のもつ独特な環境・魅力を持続的なものにしていきたい。いろいろな人と一緒に、お互いの良さを引き出しあいながら、屋久島にとっていいことは何かを模索し続けていきたい。」

屋久島空港の滑走路の延伸も決まり、今後、都市圏からの直行便開設などで、屋久島にこれまで以上に多くの人が訪れることが予想される。屋久島と横浜、2つの拠点を行き来する計屋さんならではの熱意と気づきが、屋久島の魅力をさらに引き出し、訪れた人を魅了するきっかけになるだろう。

▲「マリンブルー屋久島」。各部屋からは、口永良部島をのぞむ贅沢なオーシャンビューを楽しむことができる。ウミガメが目前まで産卵に上がってくるため、夜間は室内の光がもれないように遮光が必須となる。

 

▲午後9時ごろ撮影


・海亀のくる宿 マリンブルー屋久島

住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町永田290-1
電話番号:0997-45-2525
https://www.marine-b.jp/

・縄文の宿 まんてん

住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町小瀬田812-33
電話番号:0997-43-5751
https://www.arm-manten.co.jp/


記事
MBC地域プロジェクト部 濵田葵

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