渡邉桂太さん/八万寿茶園・やくしまオーガニックマーケット実行委員長

「山だけでない屋久島の魅力を伝えたい」茶園の二代目奮闘中

この冬、「屋久島町役場本庁舎」で開催された「やくしまオーガニックマーケット」
37もの出店者が庁舎の屋内外に連なり、一角ではライブあり、ヨガ教室ありのバラエティ豊かなイベントに多くの島民が集った。

主催は、島の若い自営業者が中心となって結成した「やくしまオーガニックマーケット実行委員会」。
発起人である渡邉桂太さんは、屋久島で30年以上、無農薬、無化学肥料のお茶作りに取り組んできた「八万寿茶園」の二代目。2017年に、家族で東京からUターンしてきた。

渡邉 桂太さん/八万寿茶園・やくしまオーガニックマーケット実行委員長

渡邉 桂太さん/八万寿茶園・やくしまオーガニックマーケット実行委員長

子どもの頃は、バレーボール一筋で、家業の手伝いらしきことはほとんどしてこなかったという桂太さん。お茶づくりはまだまだ修行の身という。

音響設備のエンジニアとして勤めたあと、Uターンを見越して、日本茶インストラクターの資格を取得。妻の麻里子さんと都内のマルシェやイベントに出店したり、若い世代向けにパッケージやパンフレットを一新したり、新中野で日本茶カフェ「八万寿茶舗」を営みながら、東京で、屋久島茶のPRに努めてきた。

渡邉 桂太さん/八万寿茶園・やくしまオーガニックマーケット実行委員長

カフェは、日本茶や和紅茶に関心のある人だけでなく、屋久島出身者や屋久島好きの人々の集う場にも育っていった。「屋久島のことを知りたい。屋久島のものを食べたり使ったりしてみたいと思っている人が、たくさんいる」。
そう実感した桂太さんは、「屋久島ナイト」と題した屋久島ファンの集いを企画。ヤクシカや屋久島産のエッセンシャルオイル、テーマを設け、関係者をゲストスピーカーとして招いた。
都会で多くの屋久島ファンと接したことや、音響エンジニアとしてライブハウスや音楽フェスの運営に関わったこと、これまでの歩みが、今の活動につながっている。

今回のマーケットの来場者約400人は、ほとんど島民だったが、「オーガニックマーケットに合わせて、屋久島旅行の計画を立ててもらえるような、そんなイベントに育てていきたい」と将来の展望を語る。

12月28日は、東京・日本橋のレストラン「離島キッチン」(TEL. 03-6225-2095)を会場に、久々の「屋久島ナイト」を計画中。オーガニックマーケットのレポートも兼ねつつ、「山だけでない屋久島の魅力」を届けにいく。

12/28(土)「屋久島ナイト」開催!

(取材:一湊珈琲編集室 高田みかこ)

八万寿茶園

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