馬場貴海賀さん/屋久島ギャザーハウスカフェ キヨコンネガイ・屋久杉楼 七福・書道アーティスト

「人が集う場を作りたい」という、原点を確認できた休業期間。

新型コロナウイルス対策として、3月31日から休業していたカフェ「キヨコンネガイ」(屋久島町一湊)が6月15日に再開した。
オーナーでもある馬場さんにとって、2カ月半の休業は「これからの屋久島観光」について、じっくりと考え、動き出す期間でもあった。

「これからの屋久島は、団体旅行から個人旅行へさらにシフトしていくと思う。森だけじゃない里の魅力を、もっと伝えていくことができたら」。
手始めに取り組んだのは、島の住民が、エッセイをリレー形式で綴っていくブログ「私の好きな屋久島」の立ち上げだ。

https://note.com/umituki/n/n834586469d17

ガイドやブロガー、自然食品店主などが、職業も年齢も様々な島民が、数日置きに文章と写真を寄せる。4月3日のスタートから、20人が原稿を送ってくれた。
「栗生海水浴場」「サイクリングコース」「照葉樹の森」……、ブログで紹介される屋久島は、通常のガイドブックと異なる住民目線。島で生まれ育った馬場さんにとっても、知らない情報満載で、エッセイが届くたびにワクワクしているという。

新たな試みはこれだけではない。

オンラインで一湊集落を歩きながら中継する「オンライン一湊里巡り」を主催してみたり、「オンラインスナック 移住」のママにひと晩チャレンジしてみたり、書道アートのオンラインショップを見直したり。そして、極めつきは、2年越しのプロジェクト「老舗旅館の再生」だ。

カフェの向かいに建つ、閉館して久しい旅館を改装して、宿泊施設「屋久杉楼 七福」として再出発させた。ベースとなったのは、西郷隆盛も泊まったといわれる旅籠「福」を前身とする「新福旅館」。築90年を超える建物の良さを損なわないように、慎重な修繕を施し、1階は手頃なドミトリー、2階は4部屋の個室の宿として生まれ変わらせた。

岡山県倉敷市で人気のゲストハウス「有鄰庵(ゆうりんあん)」で1年間、女将を務めた経験を生かし、宿の経営という新事業に臨む。

「人が集う場を作りたい」という、原点を確認できた休業期間。
書道アーティスト、カフェオーナー、宿の女将、肩書きがいくつ増えても、原点はひとつ。多彩な活動の根っこは、揺るぎない想いで支えられている。

(取材:一湊珈琲編集室 高田みかこ)

  • 屋久島ギャザーハウスカフェ キヨコンネガイ
    https://www.facebook.com/kiyokonnegai/
    屋久島町一湊13-1
    TEL 0997-44-2176
  • 屋久杉楼 七福
    https://www.facebook.com/%E5%B1%8B%E4%B9%85%E6%9D%89%E6%A5%BC%E4%B8%83%E7%A6%8F-101188124966344/
  • 書道アーティスト 馬場貴海賀
    https://egaohaitatsu.thebase.in/
  • 私の好きな屋久島
    https://note.com/umituki

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