林謙児さん/「sankara hotel&spa屋久島」シェフ

地産地消フレンチ! テーマは “自然との共生と循環”

林謙児さん/「sankara hotel&spa屋久島」シェフ

亜熱帯雨林の中にひっそりと佇むオーベルジュタイプのリゾートホテル「sankara hotel&spa屋久島」。世界中から美食家が集まるようなこのホテルでは、屋久島の“自然との共生と循環”をテーマに、地産地消のフレンチを提供している。

林謙児さん/「sankara hotel&spa屋久島」シェフ

ホテルメイン棟2階にあるフレンチのフルコースを提供するレストラン“okas”。シェフを務める林謙児さんは、鹿児島県徳之島の出身。東京の有名フレンチレストラン「ミクニ マルノウチ」や伊豆の「アルカナイズ」を経て、師である武井智春氏(エグゼクティブシェフ)と共に、サンカラのキッチンメンバーとして屋久島へ赴任した。
「屋久島はとにかく食材の多様性がすごい」と語る林さんの手掛けるお料理は、素朴な島の野草や、豊かな自然環境で育った採れたての食材を使いながら“苔生す森”などの屋久島の自然そのものを表現する。日中島内観光で見てきた島の自然の光景が目の前の一皿に再現されると、お客様からは驚嘆の声があがるという。

「記憶と味は連動してるんです。お客様には、屋久島を丸ごと味わいつくして欲しい」

と語る林さん。実は、島の野草を積極的に取り入れるようになったのは、農家の娘さんである奥様の影響が大きいのだとか。屋久島出身の奥様は、野菜はもちろん島の野草にも詳しく、一見普通の草に見えるようなものでも「これ食べれるよ」と家族に教えてくれるのだという。林さんのお子さんも道端の野草をちぎってパクパクと食べているそう。

「これだけ植物の種類がある島ですから、それを何とか料理に昇華させたいんです」

林さんは、島の植物や食材がこの時期どこで何が採れるかを常に頭の中で把握し、危険性がないかなど日々調べているという。

林謙児さん/「sankara hotel&spa屋久島」シェフ

もしも料理人にならなかったらミュージシャンになりたかったと話すほど音楽好きな林さん。お客様が囲むオープンキッチンには、いつもステージのような緊張感が漂う。

「音楽も料理も、いくつものハーモニーが重なってピタッと合う瞬間があります。この土地の多様性を料理で表現し、なおかつお客様が口に入れた瞬間思わず“うまい!”という言葉が出てくるような料理を作り続けたい」

林謙児さん/「sankara hotel&spa屋久島」シェフ

シェフの手さばきが堪能できるカウンター席

地域の文化や風土などのその土地が持つストーリーが料理を通して表現され、なおかつ地域が発展していく仕組み作りを提唱する“ローカルガストロノミー”。屋久島の象徴でもある“自然との共生と循環”のストーリーが、林さんの料理の中で実現されている。

sankara hotel&spa屋久島

住所 〒891-4402 鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生字 萩野上553
電話番号 0997-47-3488
ホームページ http://www.sankarahotel-spa.com/

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