内室紀子さん/自然食品と雑貨「椿商店」店主
カナダで2年間アウトドアの勉強をしていた内室さんは、海と山と川が揃っている所に暮らしたいと思っていた。そして、地図で見つけた屋久島に「直感で」引っ越して来た。その日から、もう17年が過ぎた。
当初、エコツアーガイドとして、自然の美しさを堪能していたのだが、魅力的な島の人々との交流を通して「ここにずっと住んでいけたら」との思いが高まった。
5年前、長男出産を境に食べ物に対する意識が変わったことと、いい物件に出会ったことを機に、自然食品と雑貨を扱う「椿商店」を開いた。
お店は、屋久島高校の向かい。島で最も人口の多い、宮之浦集落にあります。
取り扱うのは、無添加、無農薬の調味料や食材と、洗剤やタオルなど身体にやさしい雑貨の数々。
穀物類と油は、九州産でこだわりたかったので、店を始める前に、家族で九州を旅して探してきた。
無添加無農薬のメイドインヤクシマのコーナーは、旅行者にも喜ばれている。
店舗を改装して、飲み物などのテイクアウト販売も計画。
食品以外にも、自分が実際に使って良かったフキン、タオル、子ども用のオーガニックコットンの靴下、赤ちゃんが口に入れても安心なおもちゃなども並べる。店の奥には、キッズスペースもあり、子連れの客がゆっくり買い物できるようになっている。
お店の経営と1歳3か月になる娘、5歳の息子、ふたりの子育てで全力疾走中の彼女の夢は、子育てネットワークづくり。小児科の医者が常駐していない島だからこそ、楽しく子育てができる環境が大事だと考えている。
自然の魅力に惹かれて移住を決めた内室さんだが、「島に住む人たちとの出会いで、たくさんの気づきを得ることができた」と、充実した日々を重ねている。
MBCラジオ「やくしまじかん」 2017年4月22日OAより