落合佐和子さん/「ART&COFFEE SUN SUN YAKUSHIMA」

アートは太陽のように暮らしを照らす

この秋、屋久島在住のアーティストの作品を展示販売するカフェ「ART&COFFEE SUN SUN YAKUSHIMA」をオープンさせた落合佐和子さんの屋久島移住は、2013年にさかのぼる。

「沖縄か屋久島に住みたいなと思って、友だちのツテをたどってやってきたのが、最初。友だちの友だちとして紹介してもらった初対面の方々に、とても良くしてもらって、自然はもちろん人の温かさにも惹かれました」と話す。

屋久島に移住する前、5年間暮らした長野では、登山と温泉にはまったが、屋久島には、「山」「温泉」に加えて、「海」まである。この島にすっかり魅了された。

東京で美術大学の助手やグラフィックデザイナーとして働いたのち、長野県安曇野市の保養施設「穂高養生園」で広報を勤めた。屋久島移住後も長野で学んだパーマカルチャー(持続可能な環境を作り出すためのデザイン)を生かすべく、畑で野菜を育て、仲間と米を作り、鶏やヤギなど動物との暮らしに挑戦。島で出会ったつれあいとの結婚や出産を経て、今回の開業に至った。

カフェでは、2、3カ月に1度テーマを決めて、絵画や陶器、木工品などの展示替えを行なっていく方針で、初回テーマは「巨木と鯨」。埴生窯のクジラのオブジェ、Miyuki Tomiyamaさんの油絵やポストカード、向井晶子さんの屋久島の砂鉄で描いたクジラなど、バラエティ豊かな作品が並ぶ。
次回のテーマは、「屋久島からの贈り物」と題し、冬のギフトにふさわしい品々を入荷する予定。12月中旬に展示替えをする。

カフェでは、落合さんのつれあいが、無農薬で育てた生のターメリックを使った「ゴールデンラテ」(460円)や「ゴロゴロ野菜カレー」(880円)を提供。米や野菜はできるだけ、自家栽培や屋久島産のものを使う。

「SUN SUN」という店名は、「お気に入りのアートがひとつ家にあると、太陽のように燦々と暮らしを照らしてくる」という想いを込めて名付けた。モノであってモノでない、たくさんの小さな太陽たちが、この場所で出会いを待っている。

(取材:一湊珈琲編集室 高田みかこ)

ART&COFFEE SUN SUN YAKUSHIMA
屋久島町楠川306-1
営業時間は、11〜17時、定休日はSNSで告知
https://www.instagram.com/sunsunyakushima/?hl=ja

関連記事一覧