西陽子さん/SOLMU 8

ヒトとヒト、モノとヒトを結ぶつなぎ目となるライフスタイルショップオーナー

「SOLMU 8」と書いて「ソルムハチ」と読む。
「8」は陽子さんのラッキーナンバー。
ミツバチのハチ、横に倒して無限大、SOLMUのSにも見えてくる。

「屋久島町立八幡小学校」からほど近い森の中に、昨年末オープンした「SOLMU 8」は、オーナーの西陽子さんが、夫婦で作り上げた雑貨のお店。
敷地内の工房「SOLMU PUUT」で夫の優樹さんが手がける木製の家具や雑貨、陽子さんが厳選した雑貨が並ぶ。

「SOLMU」とはフィンランド語で「結び目」、「PUUT」は「木材」を意味する。
その名の通り注目は、地元作家と手を携えた商品の数々。
木工の技術を生かして、地元作家と共同制作したさまざまな商品をお店のオープンに合わせて作り上げた。

近所に陶房を構える「Le mont」の大門聖子さんのつぼに木製のふたを付けた塩つぼ、同じく近所に暮らす竹細工職人の河村卓馬さんと一緒に作り上げた木と竹のランプシェード。屋久島在住の水中写真家・高久至さんの額装写真や、お隣種子島の田畑刃物製作所の刃物に木製の柄をつけたナイフなど、新たな工芸品が続々誕生している。

屋久島特有の白い正長石が目立つ花崗岩の上に建てられたお店では、関西で14年ほど、アパレルブランドの販売員や美容部員として鍛えられた陽子さんの審美眼と接客技術が生きる。

店の庭では、ヤギと烏骨鶏がのんびりと草を食んでいる。彼らは雑草や害虫を食べてくれる大切な家族の一員だ。「さまざまな自然や動物たちと触れ合うことで、自分の直感が研ぎ澄まされ、都会で暮らしていた頃よりも、感覚的なところをより大切にするようになった」と実感している。

今後は「手仕事の素晴らしさや、使い捨てではなく、長く愛着を持って付き合っていけるものたちを紹介したり、作家さんとお客さまをつなげる場所にもなれたらいいな」と語る陽子さん。

敷地内で作家のワークショップを企画したり、商品の特性をよりわかりやすく伝えるべく、制作風景の動画なども準備中。インターネット通販も予定している。

「屋久島暮らしは、いくつもの絶景ポイントで、すぐに心の充電ができることが魅力」。たっぷりと充たされた心で、今日もヒトとモノとの新たな出会いに立ち会えることを心待ちにしている。

(取材:一湊珈琲編集室 高田みかこ)

屋久島町平内93-10
TEL.070-1310-4021
営業時間 11~17時
定休日 日曜他(営業日は公式SNSへ)
https://solmuyakushima.stores.jp/

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