池添慧さん/屋久島町地域おこし協力隊

東京育ちの青年が、人口約100人の口永良部島から「不便を楽しむ暮らし」を発信

屋久島町の地域おこし協力隊員として、一昨年から口永良部島生活を始めた池添さんは、東京出身、ゲーム好きの都会っ子。

それが今や、素潜りで魚を突き、ワナで鹿を仕留め、山でキクラゲを採取したり、筍や自然薯を掘ったり、野生のキイチゴでジャムを作ったり、島暮らしを謳歌している。

田舎暮らしへの興味を持ったきっかけも、なんとゲームから。
古い農場を受け継いだ主人公が、自給自足に取り組むというゲームにハマり、IT企業のプログラマーから、茨城県の有機農業学校の職員に転身。

さらには「もっと自然を感じたい」と、屋久島町口永良部島の地域おこし協力隊に応募した。
下見で初めて訪れた口永良部島は、周囲50km、人口100人ほどの小さな島。もちろん島民は全員知り合いだ。これまでの環境とのギャップに不安を覚えたものの、着任は夏真っ盛りの7月。海の美しさに魅了され、知り合いが増えていく中で、そんな気持ちも和らいでいった。

1軒だけある食料品店も、海が時化たら1週間食料が入らないなんて当たり前。ネット回線も細く、映画をダウンロードするために、電波の入りやすい場所まで車を走らせる。
「コンビニのある生活が恋しくもなるけど、不便だから自分でなんとかするって生活の方が楽しそうじゃないですか?」と明るく語る。

普段は、口永良部港のフェリー乗り場の観光案内所やインターネットで島の情報を発信している池添さんが今、取り組んでいるのは、畑と加工場と家作り。
今年は耕作放棄地を有機農園として開墾し、農作物を島の特産品として加工する施設も建設する予定だ。さらに島の古民家を友人たちの手を借りながら、自らリフォームするプロジェクトにも着手した。

地域おこし協力隊3年の任期が終わった後も、住み続けことができるのか、定住に向けた取り組みは始まったばかりだ。

(取材:一湊珈琲編集室 高田みかこ)

口永良部島、けいのチャレンジ記録  https://note.com/shizengasuki

けい@口永良部島  https://twitter.com/KeiErabu

口永良部島観光案内所
屋久島町口永良部島372(口永良部港フェリー乗り場内)
https://www.facebook.com/KankouKuchinoerabu/

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