富田哲郎さん/ダンスインストラクター・英語講師
夢は子供向けのゲストハウス!ダンスや英語を教えながら、島の子供達に寄り添う。ダンスインストラクター・英語講師
2年前に関東から屋久島へ移住した富田哲郎さんは、一湊集落に住む32歳。ダンススクール「Kou–Dance」キッズクラスのインストラクターや、英語講師、それ以外にも一湊集落にあるカフェ「キヨコンネガイ」と築90年以上の民家を改築したお宿「屋久杉楼 七福」を手伝い、宮之浦にある飲食店「パノラマ」ではスタッフとして働く。職種の違う様々な仕事にたずさわり、持ち前のフットワークの軽さを活かしながら、日々島内を駆け回っている。
そんな富田さんは、移住前は東京の英語スクールで、子供たちへ英会話を教えたり、公益社団法人CISV日本協会のスタッフとして、10.11歳の子供達を対象にした短期留学の引率などを担当していた。
島に移住した当初は、また子供に関わる仕事をするなんて思っていなかったというが、様々なきっかけを通して、島の子供達と触れ合う機会に恵まれたという。
「僕は子供と関わることが好きなんです。子供達と話していると共感できることが多いんですよ」
ひねくれてて面倒臭い自分を手放す。
富田さんに自身の幼少期を訊ねると、「ひねくれてた」と笑う。あるときそんな自分に閉塞感を感じ、「面倒臭くてイヤなヤツ」だった”自分”を手放すことにしたのだという。すると、それまでは上手く行かなかった人間関係がスムーズに運び、ストレスを抱えることが少なくなった。
「僕はずっと、”自分に何ができるんだろう”という自信の無さを抱えていました。その思いをぬぐいきれず、気がつくと”イヤなヤツ”になっていた幼少期だったんです。でも大人になるにつれ、自分のマイナスな部分に無駄なエネルギーを使うより、もっと楽しいところに使いたいと思うようになれました」
子供達と同じ目線で。
先日、富田さんの所属している”Kou –Dance”は、町のホールを貸し切って発表会を開催した。コロナ禍で催しものができずにいたなかで、久しぶりの舞台パフォーマンスだった。
「とにかく子供達がキラキラして、見ていて驚きの連続でした。普段の子供たちもキラキラしていますが、観てくれている人達に向かって表現するときの輝きを、ここ最近は忘れていたんです。やっぱり人前で踊るっていいことだなって再確認しました」
富田さんは子供達に「先生って言わないで!」と伝えているという。子供たちに”教える”ということを重ねるたびに、その難しさを感じ、子供たちと同じ目線を持ってしまう自分に気付かされるからだ。
「僕は、小さい頃からコンプレックスを抱えていた、いわゆる”できない子”だったから、同じように”できない子”の気持ちが分かるんです。そんな子ができるようになるためには、つい力が入っちゃいますね」
「アイツ、面白いこと言ってたな」
「子供達は、”お腹すいてるから機嫌が悪い”など、感情と行動が直結しています。たとえそれが周りを不快にさせることだったとしても、”だよね、お腹すいてるときは、イライラしちゃうよな”って、僕は共感してしまうんです。そんな自分だからこそ、子供達へ”こうやると、もっと面白くなるよ”って声をかけられるような存在でいたいですね。いつか子供たちが大人になったとき、”そういえばアイツ面白いこと言ってたな”って思い出してくれたら嬉しいです」
富田さんの夢は、子供だけで手掛けるゲストハウス作りをサポートすることだという。「大人ができることは、きっと子供にだってできそうじゃないですか!」そう言って笑う富田さんは、まるで少年のように、子供達と同じ目をしていた。
(取材:Written by 散歩亭 緒方麗)
鹿児島県熊毛郡屋久島町一湊 |
英語→080-3165-7619 ダンス→kou−DanceのFB orインスタグラムか、↑上記の電話より |