田村麻衣子さん/mori cafe STAND

子育てサロンをきっかけに巡りあった友人たちに支えられて

屋久島空港の滑走路を望む「mori cafe STAND」。
カレーにオムライス、牛丼にハンバーガー、パフェや日替わりのスイーツ……。小さなキッチンから、魔法のようにたくさんの料理がやってくる。
田村麻衣子さんが前の店主からこのカフェを引き継ぎ、名前をそのままにリニューアルオープンしたのが2017年の3月。2016年大阪から移住して間もなく、3人の子どもを育てながらの思い切った決断だった。

店主の田村さんは、大阪芸術大学のデザイン科卒。大阪や東京で、舞台美術、店舗ディスプレイ、菓子製造の経験を積んだ。
最初に屋久島に移住したのは、田村さんの両親。大工仕事や畑仕事をしながら、民宿を営む島暮らしに、田村さん一家もたちまち魅了された。魅了されたのは、田村さん一家だけではない。なんと、義父も共に引っ越すことになったのだ。
義父も夫も舞台美術の仕事を通じて知り合ったものづくり一家。吹きさらしのテラスには、たちまち壁や屋根が足され、愛らしい小屋仕立てに変身した。

移住当初の数カ月、家族以外に知り合いもなく、乳飲み子を抱えて悶々と暮らしていた日々を救ったのは、屋久島町の子育てサロン。カフェの引き継ぎの話も、サロンで知り合った友人から舞い込んだもの。ときどきカフェの仕事を手伝ってくれるのも、同じくサロンで知り合った友人だ。料理やお菓子づくりが得意な友人も多く、互いの誕生日や季節の行事を祝い、刺激を受けながら、腕を磨いてきた。

「両親が共にひとりっ子なので大家族に憧れていた」という田村さんの周囲は、両親と義父、夫と3人の子どもたちだけでなく友人やその家族も巻き込んだ大きな家族の輪ができている。

2022年には、店の前に自動販売機「mori cafe STAND PLUS」を設置。オリジナルのケーキやクッキーなどの焼き菓子が24時間購入できるようになった。
「もう少し、子どもに手がかからなくなったら、自分の理想の店を一から建てて、友人たちといろんなことにトライする場所を作ってみたい」

店舗の営業時間は11時30分~16時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。水曜・木曜定休。その他の休業は、インスタグラムで告知。

mori cafe STAND
https://www.instagram.com/moricafestand/
屋久島町小瀬田826

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