下野惠子さん/英語学習サービス EIGO by KEIKO
年々、リモートワーカーが増える屋久島。
リモートワークといっても、プログラミングや会計など、さまざまな業種がある中、下野惠子さんが立ち上げたのは、英語学習サービスだ。
アメリカへ短期の高校留学を経て、改めてアメリカの大学、さらに大学院へ進学してピアノを学んだ。大学院修了後は、帰国して、大手英会話学校イーオンに就職。講師として幅広い年齢の生徒に英会話を教えたのち、カリキュラム開発、教材制作の部門に異動し、全国で使用されている教材の制作に携わった。
大学でソロ、大学院では伴奏を学び、音楽漬けの日々を送った下野さん。英語学習とはほど遠い印象を受けるが、いわく、「楽譜を読めるからといって、演奏できるとは限らない。自分で課題を見つけてトレーニングを積んでこそ上達する点は、英会話と共通点がある」という。
屋久島に移住したのは、2019年。長年勤めた会社を辞め、屋久島の実家に帰って、英語教室の独立準備をしていたところ、新型コロナウイルスのパンデミックに突入。しばし屋久島に腰を据えることとなった。
パンデミックの影響で、外国籍のALT(Assistant Language Teacher、外国語指導助手)の入国が困難になり、島でも小中学校のALTが不足。下野さんも2年間、小学校で働き、公立学校の英語教育の現場を体験することができた。
現在はオンラインでの個別指導やコンサルティングのほかに、「EIGOBU」と称したオンラインコミュニティ、「OYAKO de EIGO」なる0~6歳児とその親が対象の親子レッスンプログラム、「英語を学ぶ人のためのPODCAST」も配信している。
今年からは、島のホテルと提携し、スタッフ向けの対面英会話プログラムも始めた。
いずれも、レッスンの間だけでなく、いかに能動的に英語学習を日常に取り入れるか、学ぶ楽しさを感じられるかを肝としている。
コロナ禍を経て、インバウンド客が急増する島で、どんなことができるのか、下野さんの新たな挑戦は始まったばかりだ。